工作員の接触
同性でも異性でも、現代では人が人に接触する際は、一昔前よりも警戒心が強くなりました。物騒な世の中ですから、新たな人との接触は余計なトラブルを招きかねないという警戒心の表れからでしょう。
当然、接触される側であるパートナー(ここでは対象者と呼びます)は工作員の接触に対して警戒心を剥き出しにします。そういった対象者への接触に対して失敗しない様にする為にも事前に対象者の情報を入手し、接触しても不自然ではない状況を作り出します。
不自然ではない状況というのは、接触するタイミングの事だけを考えられる依頼者が多いのですが、タイミングが良くても、相手の事を知っているか?知らないでの接触なのか?では工作員のプロフィール設定等も異なりますし、そこで共通の話題がなければ、会話の発展なども出来ない事もありませんが、困難を極めます。
工作に入るまでに人間関係を構築する事が大切ですが、人間関係を構築する為に時間ばかりを費やしてしまっては時間もかかりますし、本来の目的からは遠くなります。
工作員の接触は工作に入る前の段階のとても重要な作業になりますが、こういった前段階を手抜きするかどうかで工作の最終段階にまで響きます。職場や学校等で会って話す事と、全く無関係な場所で接触をする事は大きな差があり、職場や学校では身分の保証がされている場所ですから警戒心もありませんが、そういった場所とは関係のない場所で接触する訳ですから情報の有無で大分変ります。
工作は接触をする所からが工作です。何も情報がない所から接触をする事と、相手の趣味や行動範囲、交友関係を知っていながら、相手の望む様な人間を作り上げてからの接触とどちらが上手くいくかは言わなくても分かる事だと思います。